映像には、人物、物体、場所、発言、出来事、音響、字幕など複数種類の情報が同時に含まれています。従来の番組名や固定タグだけでは、映像の内容や文脈を十分に表現できません。
本プロジェクトでは、映像・音声・字幕を統合して解析し、意味単位への分割、メタデータ生成、要約、関係構造化、自然言語検索までを一つの処理系として設計・実装しました。
技術課題
- 映像と音声を合わせて解析する必要がある
映像だけでなく、音声、字幕、テキスト、BGMなどを合わせて理解する必要があります。 - 固定時間で分割すると意味が切れる
長時間映像では、話題・会話・シーンの切り替わりに沿って分割しなければ検索単位として使いにくくなります。 - タグだけでは文脈を保持できない
人物と組織、人物と出来事、場所と番組などの関係を扱う必要があります。 - 検索対象は「番組」だけではない
利用者が求めるのはファイルではなく、特定の発言や場面であることが多く、該当シーンまで到達できる検索が必要です。
実装したアプローチ
- マルチモーダル解析
映像、音声、字幕、テキスト、音響情報を統合し、人物、場所、会話、出来事など、検索に必要な情報を整理します。 - 意味単位のセグメント化
固定時間ではなく、話題、シーン、会話、イベントの変化を基準に映像を分割します。 - メタデータ・要約生成
各セグメントに対して、キーワード、内容説明、要約、重要発言、代表画像などを生成します。 - 関係情報の構造化
人物・組織・出来事・場所・番組などの関係を整理し、横断探索に利用できる形で保持します。 - 自然言語検索
利用者の質問を映像内容と照合し、関連する映像だけでなく該当するシーンまで検索します。 - 多言語処理
生成したナレッジを翻訳・要約し、字幕や説明文など別用途へ展開できる構造にします。
設計上のポイント
-
映像・音声・字幕を別々に扱わない
発言だけ、映像だけでは意味を取り違えることがあるため、映像・音声・字幕を合わせて解析する構成を採用しました。
-
検索単位を細かくする
固定時間で切ると会話や出来事が途中で分かれるため、話題・シーン・会話の変化に沿った分割を実装しました。
-
情報同士の関係を検索に活かす
人物、出来事、場所などの関係を検索に使える形で保持し、自然言語による問い合わせを該当シーンへ対応付ける処理を構築しました。
まとめ
映像検索を高度化するには、メタデータを増やすだけでは不十分です。映像の意味と文脈を構造化し、必要な場面へ直接到達できる状態にすることが重要です。
